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Nihon no sensō Sōichirō Tahara

Nihon no sensō

Sōichirō Tahara

Published October 2000
ISBN : 9784093892414
495 pages
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 About the Book 

「情けない戦争はこうして始まり、情けない結果にまっしぐらに突入していった」。誰も勝てないと知っていた太平洋戦争に日本はなぜ突入したのかを検証する著者は、幕末維新からの政治の流れに遠因を求める。ジャーナリストとして、さまざまな研究者に次々と疑問を投げかけ、意見を求めて歩く。その結果、日露戦争と明治維新の英傑たちとの世代間闘争が直結していたこと、満州国の事情を調べたリットン調査団の報告書の意外な内容、二・二六事件は陸軍内部闘争の結果であったなど、これまでの常識を覆すような事実が次々に明らかになる。More「情けない戦争はこうして始まり、情けない結果にまっしぐらに突入していった」。誰も勝てないと知っていた太平洋戦争に日本はなぜ突入したのかを検証する著者は、幕末維新からの政治の流れに遠因を求める。ジャーナリストとして、さまざまな研究者に次々と疑問を投げかけ、意見を求めて歩く。その結果、日露戦争と明治維新の英傑たちとの世代間闘争が直結していたこと、満州国の事情を調べたリットン調査団の報告書の意外な内容、二・二六事件は陸軍内部闘争の結果であったなど、これまでの常識を覆すような事実が次々に明らかになる。 圧巻は、当時の国のスローガンとなる象徴的な漢字4文字の成語(とそれが表すもの)が、政治家や軍人の行動に影響を与えていく過程とその結末の描写である。幕末の志士たちのバイブル『新論』に現れた「富国強兵」から、近衛内閣が用いた「八紘一宇」まで、7つの成語が取り上げられているが、それらはあるとき独り歩きを始め、ついには言い出した本人をも裏切る。たとえば、石原莞爾は、満州建国のために「五族協和」を唱えるが、その成語に振り回されて中国大陸での戦線縮小に失敗する。そうした顛末は、不謹慎かもしれないが、どんなドラマの脚本よりもおもしろい。成語は日本の世論となり、明治、昭和の両天皇も逆らえなかった。あの東条英機ですらアメリカとの戦争が無謀であると知っていた。なのに、「八紘一宇」という成語に突き動かされた軍部と国民の声が、嵐のように東条に叩きつけられる。 あいまいな日本の意思決定システムと、戦争への道のりを明確に浮かび上がらせた1冊である。(鏑木隆一郎)